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「……お前は面白い。興味がつきないな」
ハヅキはやがてひとこと、楽しそうにそう言った。
「俺もハヅキたちといると最高に楽しいぜ?」
ダンゾウの答えには嫌みはない。ハヅキはそんな彼の真っ直ぐな笑みに不敵な笑みを崩さないまま、イルミナの方に目をやる。
月明かりに照らされて紫に見える足下まで届きそうな黒い長い髪がユラユラと揺れた。
その黒い長い髪を頭の上に更に二つに結っている。美しく、清楚なその表情が彼女が美人だということを証明していた。
「……あら、」
ダンゾウの隣にいたハヅキに気付いたのか、イルミナは一端動きを止める。
「来てたの?ハヅキ」
無表情で尋ねるイルミナだったが、その声はどこか弾んでいた。
「ああ。今度の旅は是非お前らと同席したくてな」
「嬉しい!!また一緒にいられるのね♪」
イルミナの顔は相変わらず無表情だが、ハヅキに迷わず抱きついてきたところからやはり彼女のことが大好きだということが分かる。
「イルミナ、喜べ。聖華も一緒だ。ひとあし先に行っちまったがな」
ダンゾウの言葉にイルミナはやはり無表情で反応した。
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