第四十四話

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「という訳だし。詳しいことは後でメールするから!! あ、車は連華先生と紫姫先生たちが出してくれるんだって!! 竜ちゃんは誘ったんだけどなんか忙しいから無理なんだってー足らない運転手とかいるかもだけどまぁそこはなんとか安心して♪ そんじゃ、私他の人に声をかけなきゃだから!!!!」 沙理のマシンガントークに一馬が入り込む余地などなく、言いたいことだけ言うと彼女は一目散に去って行った。 「……」 「…行くの?」 取り残された一馬に黒太郎は静かに問いかける。 勝也は待っていた。来るはずの生徒をーー二年二組の教室でずっと。だが来る日も来る日も彼は来なかった。 電話もしたような記憶があるが、彼はでなかった。 そして登校日の一日。平然とやってきたその彼を生徒指導室に呼び出した。彼はもちろん無視して帰ろうとしたので先を読んで靴箱で待ち伏せしていた。そこで嫌がる彼を連れて生徒指導室での説教を始めた。 このままだと留年するぞ!! 毎日来ないとダメだって言っただろうが!! お前はどうしてそうーー 大体なんで今まで来なかったんだ?! 「世界一周に挑戦してました」 その生徒は真顔でそう答えた。もちろん、愛用の竹棒で頭を殴ってやった。
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