第四十四話

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「私も行く!!」 「海か。楽しそうだな。よし、じゃあ私も運転手として行ってやるよ!!」 家に帰って明日から旅行に行くと言えばすぐに姉妹が自分達も行くとそう言ってきた。 「……いいよ。来なくて。うぜー」 「だって京さんも行くんでしょ?絶対いくっ!!」 なぜか無駄に気合いが入っている妹、紗喜に一馬は首を傾げる。 「まぁべつに来てえなら来てもいいけど、自費だぜ?」 「いいの!!」 「どうせ暇だしなー」 「あらあらサンドイッチ作ってあげなきゃねー」 「いや、遠足じゃねぇから……」 はしゃぐ紗喜と姉の千恵に母の水希は何を勘違いしたのか、楽しそうに手をあわせて言う。一応一馬、全力の三分の一ぐらいの力で否定しておく。 一馬は一瞬、補習行けなくなるなと頭に浮かべたが、一秒でそれは消え去ったという。
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