第四十四話

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「どうした?一馬」 運転中だというのにいきなり立ち上がった一馬に翔が振り返る。 「……心霊スポットって……」 「まさか恐いんですか?」 泉が翔の隣からバカにするように一馬に問いかける。 「……そ……そんなわけねぇだろ……」 無表情だが一馬の顔は確かにひきつっていた。 「大丈夫だって。多分そんなに恐くねえさ!!海岸沿いで昔自殺の名所って噂があっただけの場所だからよ!!!」 翔の何を根拠な自信か分からない答えに一馬は既に帰りたくなったという。 「俺は海が楽しそうだなあ!!たくさん泳ぎてぇ……それに水着!!」 「鎖山君考えがエロイ……」 「いいじゃねぇか別に!!」 「お前が悪い」 光騎の発言に責め立てる泉と紫姫。そんな様子に苦笑しながら翔が一馬へと振り返った。 「さっきから食ってばっかりだな。エース」 翔は一馬にではなく真ん中で肉まんにばくついているエースに声を掛ける。
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