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「一番年下のくせにおめーはかてーな。もうちょいのんびりできねーのかい?
ってゆーかもうちょい人生楽しもうや!!」
ポンポン勢いよく聖華の頭を叩きながら、ダンゾウは軽口を叩く。
「ダンゾウ、下品ですよ」
「おいおい、鬼羅がそんなんだから聖華が楽しめねぇんじゃねぇか」
鬼羅の注意なんてなんのその、ダンゾウは豪快に笑う。
「……私は、ある方へ伝言を伝えるためにここまで来ました……
遊びに現を抜かしている場合ではありません」
聖華は冷静にそう返すとひとあし先に闇の中に消えた。
「……しかしあれが安倍聖華(あべのせいか)ーーかつて平安の世で恐れられた安倍晴明のご子息だとはな。長生きはしてみるものだ」
ハヅキは自棄に楽しそうに語るもダンゾウは詰まらなそうにあくびをしていた。
「どーでもいいじゃねぇか。あいつはあいつだ。それ以外じゃねぇ。あいつが自分らしく楽しめればそれでよ」
ダンゾウはそう言ってニカッとハヅキに笑みを向ける。ハヅキもニヤリと不敵に笑い返した。
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