プロローグ

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「でも策はあるんでしょ?」 「……まぁいくつかな……だが増援が来なければどのみちここからはまだ動けん。誰も小生の存在に気付かないといいのだが……」 蘭子が“法務執行人”の増援を呼んでから、既に小一時間が経っていた。 本部でもなにかがあったのだろうか。蘭子の不安は募り続ける。いつもの無表情がしかめっ面に変わるぐらいに。 「これが“封(フウ)”」 「……ああ」 「これが“開(カイ)”」 「あ、ああ!!」 「これが“放(ホウ)”」 「おお……」 「これが“滅(メツ)”」 「ーーう!」 「これが“相(ソウ)”」 「……」 「これが“生(ショウ)”」 「おおーーー……」 「そして“解(カイ)”」 そこで一旦一馬に説明していた手を止める地和。 「この七つが全ての“符陣”の基本」 「ああ……」 分かってるのか、分かってないのか一馬の返事は心許ない。
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