プロローグ

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一馬はこの頃、夏休みということもあってエース邸に長く入り浸っていた。 それは一馬自身がもっと早く、強くなりたいから個人でも地和に“符陣”を習う為である。 でもしかしこの修業、かなりハードで命懸け。エースたちはそんな一馬の姿を縁側から見て大笑いしているし。 「相!!」 「遅い、そんなんじゃ相手の滅に負けるーー」 一馬の放った“相”は地和の“滅”に簡単に弾き飛ばされる。おまけに一馬は吹っ飛ばされた。 「……今ので五回は死んだね。やる気あるの?」 「くっそ!!」 地和の言い方に一馬は思わず自棄になって飛び込む。 「そろそろお茶しましょー」 ガクッ…… せっかく乗ってきた一馬が膝から崩れ落ちてしまう。縁側で和美と京がお盆を持って立っていた。 「休憩するぞ!!一馬」 「あぁ…」 縁側から笑いかけるエースに一馬はやる気なく返すのだった。
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