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「あいつに全て一人で背負わせる気かよ!!
今は俺たちだっているだろ!!なんで、一人で行かせたんだ??!」
一馬は強い憤りを感じて地和に想いのまま叫んでいた。
ーーだが、想いは仲間たちもいっしょ。
「地和さんを責めないで……!!地和さんはエースがやりたいようにやらせただけなの……」
「……!!??」
地和を庇うように前に立ったクイーンに一馬たちはただ戸惑う他なかった。
「エースが……エースが……これは俺のけじめだから俺一人で決着つけることだから……誰にも言うなって……」
「……あいつが……本当にそう言ったのかよ……」
一馬はクイーンの言葉に呟くぐらいの小さな声で問うた。
クイーンは顔をあげないまま、静かに首を縦に振った。
「……んだよ……結局……俺たちはお前にとってそれだけなのかよ……」
「そんなこと!!」
クイーンが言おうとしたことに手を翳して制したのは立ち上がった地和だった。
みんなが驚いて地和の方に目をやる。
「そういうこと。エースはハナから君たちに何か出来るてなんて思ってない。
君たちが彼と共にいても足手まといなんだよーー
君たちに出来ることは何もない……
第一、行き先は北京だ。いよいよなすすべなんてないだろ?
分かったら……もう二度とこの件には
関わるな」
地和はただ平坦な口調のまま、言いたいことのみを冷たく告げるとそのまま部屋から出て行った。
「……ごめんね……」
クイーンもまたそれだけ言うと一馬たちの誰とも目を合わせずに部屋から出て行く。
たった二人出て行っただけの部屋なのにそこは誰もいないかのように異様に冷たかったーー
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