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「あーーーーーっっ、もうっっ!!!!」
理央の無駄にデカイ叫び声が教室中に響いた。
その声に誰もが驚いて振り返る。
「あいつが勝手に一人で行くから、だから全部悪いんだから!!!!
もう知らないっ!!!!!」
ばんっと机を叩いて想いを有りのままに叫びにした理央にクラスメイトたちの大半はなんのことか分からず、唖然として彼女を見つめていた。
「……な、なんでもないわよっ!!!」
見つめられていたことに気付いた理央は恥ずかしそうにうつ向いて机に突っ伏す。そんな様子を見ながら沙理や絵理は不思議そうに首を傾げ合っていた。
「よーし、席つけー」
六時間目はLHR。大量の資料を持ってきた勝也と共に学級委員長をやってる西野莢(にしのさや)が入ってくる。
地味で目立たない少女で横わけしている黒髪ショートと黒ブチ眼鏡がその地味さをよく引き立たせている。
この莢もそういえば優等生の部類で亜由美とは一番親しかったような気がすることを一馬は思い出していた。
それでもーー
亜由美のことを覚えていないのだ。
“忘れる”ということはどんなに経験しても辛くて慣れないものだった。
だけど今の自分に落ち込んでいる暇はない。一馬はそう思ってる。彼は未だに打開策を考え続けていた。
エースのところに行って何が出来るかわからない。それでもーーこのままにはしとけない。
まずは一人で戦地に赴いたことをぶん殴る、そう決めていた一馬だった。
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