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「……私たちどっちかが消えない限り、ここから出られないんだよ。
貴女がここを出たいのなら私を消さなきゃいけない。
最も弱虫な貴女には不可能なことだろうけど」
畳み掛けるような自分自身の言葉の暴力。
春紫苑は言い返すことすら出来ない。
「……ハルを弱虫扱いするな!!!!
ハルはハルにしかない強さや優しさがある……
お前ごときがハルのことを何も知らないくせに語るな!!!!!」
言い返せない春紫苑を庇うようにヴァンが喚く。
それさえも彼女はただ冷静に聞いていた。
「ーーヴァンがそうやって甘やかすから私が出てきたんだよーー
私は貴女の中の冷めきった“冷徹”の感情の部分ーー」
「……“冷徹”……」
「話も終わったし、もう話したくもない。さぁ始めよっか」
絶句する春紫苑に構わずに彼女は突っ込んできた。
彼女の拳が春紫苑の腹にめり込む。
完全に動揺で動けなかった春紫苑は受け身も取れずにそのまま後方へ吹っ飛んだ。
ガスっ
その状態から彼女は春紫苑を踏みつけて足蹴にする。
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