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身動きの取れない春紫苑に彼女は容赦なくヴァンの血の力を纏ったナイフを突きつけた。
「最初から心臓なんて生ぬるいよね……まずは足から」
「ぐぁあああああああッツ!!!!!!」
刺された足の痛みは本物だった。
ーーようやく春紫苑には実感が沸いてきた。
殺られれば死ぬのだとーー
「……次はどこがいい?」
「……次は、あんたよ!」
春紫苑は必死にもがいて彼女の身体を引き剥がしに掛かる。
彼女の足を空いていた右腕に持ったナイフで突き刺した。
彼女の赤い血が春紫苑の顔に降り掛かる。
「……そう、次はその右腕がご所望なのね」
春紫苑の攻撃により距離を取らざる得なかった彼女は変わらない冷徹な声でそう返す。
「私はなにがあったって貴女にも、誰にも負けられない!」
「……顔が変わった……」
先ほどとは違う生気を取り戻した春紫苑の瞳に彼女はポツリと呟く。
だがそれさえも彼女には意味のないことだった。
「それさえも潰すだけよ……
さよならーー」
「私は貴女を超えてみせる!!!!!」
同時に二人は駆け出した。
ヴァンはこの状況を見守るしかない。
これは春紫苑自身の戦いなのだから。
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