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「“アタシ”だよ。
それ以上でもそれ以下でもない」
紫姫の顔をした女は自分と同じ顔でニヤリと得意気に笑って見せる。
「ハン、なるほどねぇー
笑えない冗談だ……」
というか事実全く笑えない。
紫姫は戦闘態勢を整える為に両方の双翼を勢い良く広げた。
「冗談じゃないさ……ただの事実だ」
「何者だ?」
ヒュドラは自分のパートナーと同じ顔に質問することに少しだけ複雑な感情を抱きながら、それでも強めに問いかける。
「紫姫、だよーー
だけどアタシはアンタと違って“復讐心”を捨ててないアタシ」
まるでそのことを誇りとでもいうかのように彼女はそう答えた。
「!!!!!!」
その答えに攻撃を加えようとしていた紫姫の動きが止まる。
「驚いたか?
まぁ無理もないねぇーーアンタはやるべきことから逃げたただのクズなんだからさ」
「……クズ、だと?!」
その言葉自体に強い憤りを覚えた紫姫が怒りを露にして彼女に問い詰めた。
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