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「ああーークズだよ……
間違ってはないはずだけどーー?」
蔑んだ瞳を向けた彼女はまるで紫姫の心を抉るように挑発してくる。
「てめぇ……」
「……あのねぇ、まぁ別にどうでもいいけどーー
アンタさぁ」
「……??!」
目の前のことにとらわれ過ぎて紫姫には背後っているものに気付かなかった。
ゴバァッツ!!!!
「……がはッツ!!!!!!」
自分と全く同じ形の無数の羽の刃が紫姫の身体に突き刺さったのだ。
「キレゴトに染まりすぎなんじゃないーー?」
黒く染まった表情がバランスを崩し膝から崩れ落ちる紫姫を支配する。
「……だま……」
「……大体、“復讐”を止めたらアンタが“異端”になった意味もない……」
「紫姫、耳を貸すな!!!!!」
ヒュドラの短い注意を無視してもう一人の紫姫は構わずに煽ってきた。
「真実から逃げて、復讐からも逃げてーー自分の運命からも逃げ続ける……それをクズって言わなくてなんと言うんだ??!!!!」
「……アタシが逃げているだってーー?」
「紫姫!!!!!!!」
問い質されたことに唖然として切り返せない紫姫の心を呼び覚ます為にヒュドラは必死に叫ぶが通じない。
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