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「意外とバカじゃないんだねー♪」
きゃははと甲高い笑い声をあげながらそれは現れた。
「……誰??!」
理央は声の主を問い詰める為に叫ぶ。だがそれをバカにしたように声が返してきた。
「あたしはあたしだよ~
り、お♪忘れたの?」
「……はぁ??!」
その理央と名乗る女は自分と言うにはあまりにも無邪気で、だけど全く同じ姿と形をしていた。
「やだなぁ……怖い顔しないでよぉ」
まるで何か嫌なモノを見ているかのように理央の心はイライラする。
「あなた誰よ??!
人の真似しないで!!!!!!!」
理央は怒りで声を荒げる。それを『分からない』と言った怪訝な表情で返す女。
まるでそれしか答える術を持っていないかのようだった。
「あたしはだから理央だよ。ルマーー君のことも知ってるもん」
「……!!!!」
ルマの名前を呼んでみせ、その女は怒ったようにぷぅーっと頬を膨らませた。
「ルマはあたしの相棒で、だけどーーずっと一緒にいた友達!!!!!」
「……」
突然女の表情が一変した。
さっきまでの穏やかな雰囲気と違って強い怒りと憎しみを込めた顔にーー
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