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力の波動は地和にエースたちと共に修行して覚えたものの一つ。
「君の考えが読めないあたしだって、思った?」
上を取って弓を構えた理央にもう一人の理央は勝ち誇った笑みをみせる。
「理央やん!!!」
「ーーッツ!!!」
弓を先に放ったのはもう一人の理央の方。後ろから矢が理央の腹部を直撃する。そう、先ほどの闇雲にも見えたあの攻撃の一部は追跡弾も混じっていたのだ。
「ーー終わりだよ……!!死ね、偽物ッツ」
動きが止まった理央の身体にもう一人の理央は弓を構えた。
だがーー理央は動きを止めなかった。
「こんな攻撃ぐらいであたしたちの想いは止められない!!!!!」
「……えっ??!」
それはもう一人の理央にとっても予想外の展開だったのだろう。驚いた彼女の動きは一瞬だけ止まる。
「ルマ、あたしを信じてーー力を貸して!」
「……もちろん!」
理央は止まらない。このゼロ距離で先ほどと同じような海の力を込めた弓矢をもう一人の理央めがけて躊躇なく放った。
その迷いのない攻撃はもう一人の理央の心臓を確かに貫く。
「……どうして……射てたの?」
消えようとする身体でもう一人の理央は問う。彼女には分からなかった。今の理央の想いがーー
同じ理央なのに全く分からなかったのだ。
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