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「射てるわよ。少なくともあんたとあたしは違うーー
あんたがどんなに同じ姿、形、性格を持っていたとしてもーー想いだけは違うのよ」
「……おもい……?!」
「エースを助けたい、力になりたい、例えエゴでもその理由を否定されようともあたしは戦う理由をそう決めた」
「あたしだって……そう思っているもん……」
消え入りそうな声で理央の言葉に彼女は真っ向から反発してくる。
「……そうね、だけどーー
あんたはやっぱり違うのよ……
あたしはもう誰かに見られてなくたって、分かって貰えなくたって構わない。
ただ大好きなエースの傍を取り戻す為に戦うだけなの」
素直になるのはまだ少しだけ照れ臭い。でも大丈夫、ハッキリと分かる。
今の自分は本当にエースが“大好き”なんだってことをーー
もう一人の理央は驚いて固まったような表情を一瞬だけ見せたけど、穏やかな表情を最後に作ってそのまま消えていった。
「……理央やん」
「……ええ大丈夫、行きましょう」
闇の中に出来た光の道が理央の行く道を照らしてくれる。
彼女は振り返らずにその道をルマと共に走り始めた。
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