65人が本棚に入れています
本棚に追加
誰もいない世界にただ一人存在していたのは自分と同じ姿をした男ーー
ソイツは自分のことをただじぃっと見つめていた。
「……何者だ……?!」
ーーここが現実世界とは全く違うものだということぐらい京にも理解出来る。
恐らく精神世界であることは確かーー
あのヘヴンという男が自分達に何かしたのだろう。
そう考えて間違えないはずだ。
だから目の前の自分と類似する男が『もう一人の自分』と言われても正直納得は出来る。
「……来るな……」
自分と似た男は京の言葉ごとその存在を拒絶する。ただ驚いて京の思考はそこで一旦止まった。
「俺に近付くなーーーーーッツ!!!!!」
「……京、こやつも私の力を使えるようだ!!!」
「……っつ……!!能力までコピーとはな……!!」
いきなり薙刀を錬成して突っ込んできたその男の攻撃を間一髪ミカエルの声のお陰で京は銀翼でガードすることに成功した。
「……コピー……笑わせるな……
俺は……俺だ!」
「……」
男の言葉に京は何も返さない。
ただ黙って薙刀を構えた。
「……死ね!!!!!」
男はすべてを蔑むように吐き捨てるとまたも京に突っ込んでくる。
最初のコメントを投稿しよう!