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京の目の前に光の道が広がった。
彼はそれを迷わずに走って行く。
今の自分には背負うものがある。
そして一人じゃないーー
誰がなんと言おうと絶対に勝手に死ぬわけになんかいかなかった。
「……アハハハハハハ!!!!」
「妖狐の力……ここまでとはな……」
狂ったように笑い続ける氷翠にもう自我はないのだろう。
正直、趙雲の目の前に広がるそれはあまりにも痛々しくそして重かった。
だけど受け止めなければーー
趙雲がここに来た意味はない。
「その玉はもう効かないよーうだ♪
絶対防御やぶれたりー♪」
偉く楽しそうに言う氷翠の通り、もう趙雲の色辿はほぼ無効化と言っても過言ではなかった。
妖狐の光は全てを一瞬にして無力化していく。趙雲の作り出す色辿だって例外ではない。
趙雲は現実的に氷翠にかなり苦戦していた。
「趙雲……大丈夫か?」
己自身が持つ超神経のお陰でなんとか致命傷だけは避け続けている趙雲だったがそれももう限界に近い。
防戦一方の身体は疲弊困憊していた。
陸奥がそれを感じ取ったのか、静かにそう聞く。
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