65人が本棚に入れています
本棚に追加
「……大丈夫だ。心配するな」
趙雲はそんな相棒に心配かけまいと何でもないふりをする。
「……泣かせるよねぇ……あは、アハハハハハハ!!!!!!」
それさえも笑い飛ばし、氷翠は更なる追い込みを趙雲にかけてくる。
己の命など省みない氷翠の一撃がついに趙雲の右肩を正確に貫いた。
代わりに氷翠の左目を趙雲の刀が貫く。
「見事じゃ……」
氷翠の代わりに妖狐がその趙雲の一撃を賞賛した。
趙雲は何も言わずに直ぐに刀を引き抜く。
「ヘェー刀も造形出来るんだねぇ。アンタ」
「……」
片目の視力を失ったというのに顔色一つ変えない氷翠。
やはり氷翠は自らの命さえ重大になんか考えていないようだ。
まぁでなければ禁忌を使ってまで妖狐と融合するわけないがーー
彼女の目的は『誰かを殺すこと』ーー
それさえ達成出来るのならどんなことでもやる……彼女はそんな目をしていた。
「さぁーー次行くよーー」
氷翠の目は未だに『殺すべきもの』としてただ趙雲を追いかけていた。
そこに視力を失ったことなんて関係なかった。
最初のコメントを投稿しよう!