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氷翠の狂喜は止むことを知らずに一撃、一撃と重くなっていく。
早くけじめをつけなければーー
だが趙雲の傷は自分で思ったよりも深くそして激しい激痛をともなっていた。
それが柄にもなく、彼の焦りを醸し出しているーー
「……杏……??!」
蘭子のことはともかく、水蓮の何よりの気がかりは人間である杏。
彼女の相手の真煌という男はただ者ではない。今の悪寒は何だろうと水蓮は辺りを気にした。
「本当にむかつくおばちゃんだねぇ、無視しないでくれる??!!!!」
「ッツ!!!!」
そんな水蓮にカツを入れるように鎖鎌が襲いかかる。
「……無視なんて、してないーー
ちょっと仲間が気になっただけ……」
水蓮はあくまでも冷静にだけど強い口調で彼女に尋ねた。
「ふぅーん」
興味がわかないのか、適当に相槌をうつのは麗花。“異端”の力を奪われた水蓮がただいま対峙している敵。
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