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オーラを纏ってないときとまるで違うその痛みに一瞬で水蓮は意識が朦朧とする。
倒れない、そう誓ったばかりなのに。
ちゃんと戦う、そう決めたばかりなのに。
水蓮は必死に意識を保つため、ガクガクと震える足を殴り付けた。
「……気でも狂ったの?」
「……そうかもね。君を変えたいから私も変わる。どんなに苦しくても今日は倒れる訳にはいかないの」
水蓮はバカにしたように問いかける麗花に気丈にもそう答えた。
「……あたしを変えるのはおばちゃんにはできないよ。あたしを止められるのは李白様だけだもん」
麗花は水蓮をいや“異端”を強く恨み続けている。全てを突き放すと彼女は更なる追い込みを水蓮にかけるため、鎖鎌を構えた。
「……あれ?」
さっきから同じ道をぐるぐるぐるぐると何度も回ってる気がする。
気のせいだろうか?
「気のせいじゃないよ」
「……やっぱり……」
相棒のクリスの一言にショックで翔は顔をひきつらせた。
「でも可笑しくないか??!
急に暗くなったと思って起きたら一馬いねぇしみんな目覚めねぇしーーそれにーー有沢さんと矢崎もいねぇし!!!
そんで歩いてたら何度も何度も同じ道!!!!どういうことなんだよ??!」
「まぁ一つ言えるのは翔が誰にも歓迎されてないってことだね」
「……クリス……」
本気なのか、冗談なのか分からないクリスのお言葉に翔は多大なるダメージを受けた。
「いやいやいや、敵に歓迎されたらおかしいんだけどっつ」
重要なことを思い出して一応翔はノリ突っ込みしておく。一人なので虚しさが増しただけだったけど。
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