65人が本棚に入れています
本棚に追加
「……分かった。そっちがその気なら……」
一馬はなにかを決意したように顔をあげる。
「力ずくで聞いてやる!」
「ちょ、あんた本気??!」
一馬の決意に驚いたのは言うまでもなく、その場にいたみんな。
そして代表して口に出したのは美香だった。
「俺は本気だ。真実を教える気がねぇなら、そうする他ねぇだろ」
一馬は美香に当たり前のように返すが、内心はビビっていたのは言うまでもない。
目の前にいる男の地和の恐ろしさは一馬自身も共に修行をしてよく分かっている。
それでもそう口に出したのはそれぐらいしなければエースが消えた真実を話してもらえない、一馬がそう察したからだ。
「ーー本気、ねぇーー本気なら相手するけど……掛かってくる?」
地和は相変わらず一馬の方を見ないままだった。
「……」
「かずま、やめようよ……こんなこと無意味だよ……!!」
黙りこんだ一馬を思いとどませるために黒太郎は叫ぶ。
「わーってる……けど……何もせずになんて……いられねぇだろ……
エースが……エースが……
いなくなっちまったんだぞ??!
一週間前まで普通にいたエースが!!!!!
あいつはもう……俺たちの仲間で日常なんだ!!!!
なかったことに出来るわけねぇだろうが!!!!!」
一馬の八つ当たりにも似たような黒太郎への叫びが地和の部屋に響く。
最初のコメントを投稿しよう!