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「中国語なら俺も分かる。それぐらいで威張るな」
「きょーいちは中国に住んでたんだから分かって当然じゃん!」
なぜか後ろから張り合ってきた恭一にヒナはすぐに返した。
「黙れ、ヒナ!!俺が通訳してやる!!!貸してみろ!!!!」
なにが勘に触ったのか、恭一は不機嫌そうに叫ぶと一馬の手の内の手紙を奪い取った。
「……!!」
「……なんて書いてあるんだ?」
その紙面を見て少しだけ表情を変えた恭一に光騎が直ぐに尋ねる。
「……これはーー親が子供に当てた手紙だな。元気か?変わりないか?そう言ったことが書かれている……ただーー」
恭一は意味深にもそこでいったん、言葉を切った。
「ーーもうすぐ異端の世界を終わらせる……
そう、書いてあるーー」
「……は……?!」
唐突すぎる言葉に一馬たちの頭は完全についていってなかった。
「そしてそれを止めたければ『陰陽の塔』に来いって」
「……まさか……エース君……それを一人で止めに?!」
明日香は言いながら心配そうにみんなを見回した。
「……でも……なんで一人でーー」
「エースの父親なの。実の」
一馬の呟きを遮るようにして現れたのはクイーンだった。
彼女は部屋の中にいつの間にか入ってきてたようだった。
「エースの親父??!」
クイーンの回答にまた噛みつくようにして一馬が反応する。だが彼女は静かに頷いた。
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