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「友貴(ヨウグゥイ)はエースの本当の名前……聞いたことない?エースの偽名」
「……そっか……なんで気付かなかったんだろう」
爽吾は思い出したようにそう口にする。一馬たちは一斉に彼を見た。
「ほら、エース君の偽名……麻生友貴!!
日本語では友貴だけど……
中国ではーー友貴(ヨウグゥイ)だよ!!!
それに父親の李白さん……どこかで聞いたことあると思ったら」
「なるほどなぁ、組織“J”のリーダーや!!!」
「うん」
爽吾が全て言い終わるまえに社が思い出したように遮る。
「というかあんたは最初“J”だったんだから知っときなさいよ!」
得意気に胸を張る社に美香が呆れた突っ込みを入れる。
「それを言われると頭がいてーな」
光騎もまた元“J”。李白がボスってことは知ってるはずだった。彼はもちろん爽吾に言われるまで忘れてたが。
「……話が違う方向にいってねぇか?」
どんどん話が変わっていきそうなので一馬が本来の話に戻すため一応、杭をさしておいた。
「ああーーゴメン……で……エース君は?!」
爽吾は軽く謝ってクイーンに真意を聞くために尋ねた。
「エースは李白を倒すため……一人で北京に行っちゃったの。
本当は言うなって言われてたんだけど……
私、もう無理だった……」
クイーンは地和に向かって首を振っているように見えた。
どうやらやはりこの件を隠していたのは地和だったらしい。
改めて一馬たちは地和に向き直る。
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