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「なぁ李白」
「……どうした?急に」
「……ん、別にこれと言って話しかけた理由とかはないんだが」
「なんだよ、それ」
李白と人和ーー
彼らは親友だった。
それは間違えなく本物の友情で誰もがそれを疑うことはしなかった。
「ハハハ、すまん。ただ何となくお前の声が聞きたくなっただけさ」
人和は男同士に言うにしてはちょっと的外れなことを平気で言ってくる。そんな彼だが李白は気にしたことはなかった。寧ろそんなことを気にしないで言える彼を誇らしく思っていた。
「……全く、お前はーーそれだけで話しかけんなよ。仕事中なんだから」
「雑談って思えばいいだろー」
「調子いいんだからよ」
手のひらを返して呆れてみせる李白に人和は調子のいいことで誤魔化した。
そんな他愛もないどうでもいい雑談のなかに三人の仲間たちが入ってきた。
「相変わらず仲良さそうだなぁ、お前ら」
「おお。お帰り、天和。それにレンと円道(エンタオ)も」
めんどくさそうにボリボリと頭をかきながら現れた銀髪の青年を筆頭に美しい桃色の長い髪を持つ女性、そして深紅の短い髪と鋭い目を持った女性が入ってきた。
人和はそんな三人の帰還を嬉しそうに歓迎する。
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