ヨッ、久しぶり✌

2/50
354人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
2028年。夢が自由に見られるようになった。いや、正確に言うと、カプセル型やリラックスできる椅子で、脳波の状態をコントロールして見る。 遡ること3年前。つまり2025年。当時は頭にヘッドギアを被せて、脳波の状態を測定しつつ見ていた。 時には夢から戻れなくなったり、夢と現実の境が分からなくなったりもしたが、技術の進歩は恐ろしい物で、3年後には『ドリームカフェ』なる物がオープンしていた。 15分寝ると3時間前後の夢が見られる。 正確には、夢の中で時計など見ないから分からないけど。 起きた時に『夢だったんだな』と思える程度だが、一躍大人気となった。 もちろん、問題も起きた。細かい所では、この頃は一回あたり3万円もしていたから、客や従業員が金目の物を盗んだり… 何処からか旧型の機械を仕入れてきて、一生夢から戻れなくなるようなことが度々起きた。 店舗数の増加に伴って、『ドリーム協会』が立ち上がり、協会に入っていないと営業してはならないとして、厳しく罰せられるようになった。それでも違法業者は後を絶たないから、最終的には25年以上の【禁固刑】になった。 このころになって、ようやく法整備も進み、それと共に金額も低くなり、手軽に見れるようになり、ワンコイン(500円)となった。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!