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2028年。夢が自由に見られるようになった。いや、正確に言うと、カプセル型やリラックスできる椅子で、脳波の状態をコントロールして見る。
遡ること3年前。つまり2025年。当時は頭にヘッドギアを被せて、脳波の状態を測定しつつ見ていた。
時には夢から戻れなくなったり、夢と現実の境が分からなくなったりもしたが、技術の進歩は恐ろしい物で、3年後には『ドリームカフェ』なる物がオープンしていた。
15分寝ると3時間前後の夢が見られる。
正確には、夢の中で時計など見ないから分からないけど。
起きた時に『夢だったんだな』と思える程度だが、一躍大人気となった。
もちろん、問題も起きた。細かい所では、この頃は一回あたり3万円もしていたから、客や従業員が金目の物を盗んだり…
何処からか旧型の機械を仕入れてきて、一生夢から戻れなくなるようなことが度々起きた。
店舗数の増加に伴って、『ドリーム協会』が立ち上がり、協会に入っていないと営業してはならないとして、厳しく罰せられるようになった。それでも違法業者は後を絶たないから、最終的には25年以上の【禁固刑】になった。
このころになって、ようやく法整備も進み、それと共に金額も低くなり、手軽に見れるようになり、ワンコイン(500円)となった。
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