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携帯のアラームが音楽を奏でる。
寝た気のしない那智は携帯を手に、オーナーにメールを打つ。
熱っぽさと、何より精神的ダメージ。
告白もする前からあり得ない失恋。
あんな公衆の面前で、パンツがずり落ちると言う醜態。
異様な怪事件としニュースにまで取り上げられ映っていた始末。
モザイクは掛かっているものの、モザイクが掛かっているからこそ、余計、完全にパンツがズリ下がっていた事を証明している。
ベッドから起き上がれず、布団に潜り込んで熱い涙を流し続ける那智。
鼻をすすり、ギュッと目をつぶる。
オーナーから返事が来た。
“やっぱり……分かりました。余り気に病みすぎないようにね？。私達もフォローするから……。”
顧客もついているソコソコの美容師、摩耶川(まやかわ なち)那智。
この時ばかりは、“顧客様、私の事を忘れて～……”と願わずにはいられなかった。
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