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何処からともなく聞き覚えのある、あの変な奇声が聞こえ始める。
『ゼニ~ゼニ~』
『カネカネ~』
『ドル~ドル~』
那智「!! (この変な擬音は……)」
嫌な光景を思い出す。
フラッシュバックをスローモーションで、ずり落ちるパンツに、あの軽蔑的な眼差しの桃子と輝。
悔しさと苛立ちと訳のわからない恐怖に、ハッと震えながらベッドを降りる。
近くにある延長コードを引き抜き手にすると、ベッドの足にくくりつけ、窓から垂らした。
ここは二階。
案の定、そんなに高さのあるアパートではない。
那智「……パジャマ……」
唸るようにうつむき、自分の姿を観る那智。
着替えている暇はない。
何故か本能的に狙われて居ると悟った。
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