第2話 ハートブレイカー

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何処からともなく聞き覚えのある、あの変な奇声が聞こえ始める。 『ゼニ~ゼニ~』 『カネカネ~』 『ドル~ドル~』 那智「!! (この変な擬音は……)」 嫌な光景を思い出す。 フラッシュバックをスローモーションで、ずり落ちるパンツに、あの軽蔑的な眼差しの桃子と輝。 悔しさと苛立ちと訳のわからない恐怖に、ハッと震えながらベッドを降りる。 近くにある延長コードを引き抜き手にすると、ベッドの足にくくりつけ、窓から垂らした。 ここは二階。 案の定、そんなに高さのあるアパートではない。 那智「……パジャマ……」 唸るようにうつむき、自分の姿を観る那智。 着替えている暇はない。 何故か本能的に狙われて居ると悟った。
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