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外の地面にスリッパで着地する。
那智「(成功!) ダッシュ!!」
走りにくいスリッパ。
パジャマのままで人目を掻い潜り、何故かM駅に向かっていた。
きっと、頭の片隅にCメールの内容が残っていたのだろう。
だがこの際好都合だ。
あの変な全身黄緑色タイツの集団に取り囲まれることを考えると、イクラかマシだ。
『ゼニゼニ~~!!』
奇声が後ろから聞こえ、チラリと様子を横目観る那智。
那智「!! げっ」
何か合図をしながらその全身黄緑色タイツの一人が跳び跳ねていた。
『カネカネ~カネ~』
『ドルドル~~』
次々とその合図を受け、那智の部屋の前に集まっていた全身黄緑色タイツの集団が集結し追いかけて来る。
息をゼェーハァー言わせ、スリッパで走る那智。
M駅を視界に、スッ転んでしまった。
那智「! ……っ」
地面に叩きつけた身体から息が漏れ、激痛にしかめ面になる。
那智「痛たたたっ」
パジャマ姿でムクリと起き座り、慌てて後ろを振り返った。
今のところあの集団の姿はない。
まいたのであろうか。
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