第2話 ハートブレイカー

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「おうぉ~……お姉ちゃん大丈夫か? どうしたんやパジャマとスリッパなんかで」 豪快にスッ転んだ横には小さな屋台があった。 文字は“たこ焼き”と書いてある。 声をかけて手を差し伸ばしてくれたのは、どうやら“たこ焼き屋台”のお兄さんのようだ。 確かに“たこ焼き”を焼きそうな雰囲気の関西弁なお兄さん。 那智「ぁ……」 那智は恥ずかしいよりも先に“助けて”という願いに支配される。 たこ焼きのお兄さん 「大丈夫か? 立てるか?」 那智「あ……ありが」 安心した所為か、手を伸ばしながら那智は知らず知らず、ボロボロと涙を流していた。 たこ焼きのお兄さん 「ど!! どないしたんや!! どっか痛むんか?」 お兄さんはギョッと驚いた顔をし、顔を赤くする。 那智に近付き身体を気遣う。 那智「いえ……恐かっただけで……大丈……」 那智は泣きながら笑い、鼻をすすって話した。 その時、お兄さんの手が那智の頭にポンとのり、くしゃくしゃと撫でる。 たこ焼きのお兄さん 「“部下”がよっぽど恐かったんやな……」 ぽそりと呟いたお兄さんの言葉は聞き取れなかったが、那智はすっかりそのお兄さんに心を許してしまった。
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