~一章・生誕と云う罪~

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†††††††††††† 僕は物心ついたときから この薄暗い部屋のいた。 この小さな窓から見える景色と この部屋の薄暗い風景だけが 僕の世界、 此処に来るのもリンクだけ、― 「あなた、だぁれ~?」 ―のはずだった。 「…………」 誰か来た? そんなわけないか、 此処に来るのはリンクだけ、 これは僕が人と関わりたいから 聞こえてくる幻聴、なんだ… 修は唯の声を幻聴として 捉えたらしく、黙りこむ。 「ねぇ~、聞こえてる~? 無視しないでよぉ~」 しかし、幻聴でも何でもない唯は お構えなしに修の体を揺する。 「…ッ!? 君は……誰?」 そこで、ようやく修は 唯が、いる事を実感する。 「私ぃ~?私は唯だよ~」 「ゆ……い…?」 修は突如現れた少女に 呆然としながら少女の名を呼ぶ。 「うん?」 これが双子の 最初の出会いだった。 ††††††††††††
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