~一章・生誕と云う罪~

13/32
前へ
/83ページ
次へ
「リンクはさ 僕の専属になってるんでしょ? “僕なんかの”……」 リンクの頭の中にその言葉が残った そして同時に、悟った 「(この子は自分を卑下している…、 自分は何も悪くないのに……)」 「自分を卑下しないでください 私は十分幸せです 修様に仕える事が出来て」 そこでリンクは一つ区切りを付ける。 「確かに、他の者には色々言われます。」 「やっぱり…!」 修は敏感に反応する。 「ですけどっ!!」 リンクはそれを遮って それを否定する。 「私は幸せです 貴方の様に、優しい人が主人で 本当に嬉しいんです」 リンクは優しい笑顔で修に語りかける。 「僕は…、優しくなんか……」 「優しいですよ、自分は悪くないのに 誰かを恨んでもいいのに 誰も恨まずに、自分を責めている貴方は きっと、誰よりも優しい…」 「そんな……」 修は自分でそんな事を 思っていなかったのか リンクの言葉にショックを受ける。 「(そんな、修様をこんな目に 合わせている奴らの方がよっぽどっ!!)」 修の小さい否定もリンクには聞こえていなかった。 「リン…ク……?」 「それでは、修様 私はこれで…」 部屋から出ていくリンクの顔は 張りぼての様な、笑顔だった。 ††††††††††††
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加