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暗い闇の中、息遣いだけが
森に響き渡る。
「はぁはぁ…何で…こんな…、
アイシェ…、リネット…、」
少年の脳裏には
二体の龍の死に際が再生される。
「いたぞ!こっちだ!!」
その時、暗闇の向こうから
声が上がる。
「……ッ!?」ビクッ
騎士は少しずつ
近づき少年の傍らに着く。
「覚悟はいいか?少年」
その騎士の声は大変優しそうだった。
しかし、少年には届かない。
――コイツらが、
―――コイツらが
アイシェとリネットを殺した、
少年の頭の中には
その事しかなかった。
――――――――――
気が付いたら殺していた。
15人はいたであろう騎士を―、
7つにも満たない少年が。
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