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静かな夜に一つの部屋で
一人祈る男性と
それを見守る一人の老人がいた。
「そんなに
祈っても結果は変わるまい」
老人が男性を心配して
語り聞かせるように声をかける。
男性は静かに首を振り
言葉を紡ぎだす。
「それでも、祈らずにいられません。
妻と子の無事を、…」
「ふむ…」
老人は男性の言葉に
同調するように、一つ頷く。
「それにしても遅すぎませんか?
私は心配で心配で……」
「たしかにのぅ、しかし
信じてやれ、自分の子と妻だろう」
老人は冷静にしかし
どこかそわそわしながら男性に語る。
「旦那さま!!」
そこに一人のメイドが
あわてて入ってくる。
「騒がしいぞ、静かにしろ!」
それを老人が咎める。
「すいません御隠居」
「まあよい、してどうした」
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