~一章・生誕と云う罪~

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老人は男性に声をかける。 「行くぞ、何にしても 子には会わなければなるまい」 「…はい」 老人の言葉に男性は頷き 自らの妻と子がいる部屋に向かう。 †††††††††††† 「この子は、何という……」 老人は顔をしかめ 呻くように声を出す。 「しかし、なんだ…?この子は… 黒髪、黒眼、魔眼が二つ…… 双子という事でも忌みされるというのに。」 老人が双子の片方を見て 悲しみの声を漏らす。 「この子はきっと 多くの人から非難される… その前に、いっそ楽にしてやったほうが…」 「お父様!!」 男性が老人に否の声を上げる。 「少し、場所を移すぞ…」 老人は男性に 共に部屋を出るように促す。
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