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老人と男性が再び
二人きりになる。
「「…………」」
沈黙の中、
先に口を開いたのは老人だった。
「男児の方は諦めよ…」
そう子供は
男女一対の双子だった。
「そんな…どうして!?」
男性は声を荒げる。
「分かっているだろう
我ら貴族にとって忌み子が
身内にいては支障をきたす。」
老人は表情を乱さず答える。
「なら何故、娘はいいのです…!」
男性は一旦、気を静めるが
やはり語尾が強くなってしまう。
「女児の髪は茶色、眼は蒼
パッと見て忌み子だとは誰も思うまい」
そこで老人は一つ息を吐く。
「それに反して
男児の方、あれは誰にでも分かってしまう
黒髪は災厄の象徴、
魔眼は化け物の意、それが二つだ
オッドアイになるだろう、
オッドアイは相反の意、
男女の双子は決別の象徴」
「殺せ、と?
私自身殺したくない!
それに、妻に何と言えばいいのです!?」
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