~一章・生誕と云う罪~

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老人は口を開く。 「非道になれ、 当主とは家を、家族を守る為に 時に、非道にならなければいけぬ」 老人の言葉に男性は黙りこむ。 「非道…、当主…、守る… それが…」 「そう、それが…」 老人は男性の言葉に 自分の言葉を重ねる。 「「当主の責任と覚悟」」 「………わかりました、 家族を守るために私は…、」 男性は覚悟を決める。 「私は……、ック……」 それでも男性の中に葛藤は残る。 「時間を下さい せめて、5年の時を…」 男性は涙しながら老人に言う。 「それが、当主の決めた事なら 好きにするといい」 老人は男性に背を向け 部屋を出ようとする。 「しかし覚えておけ、5年だ そしてけして外に出すな、良いな?」 「はい……」
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