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とあるカメラマンがなんの因果か自殺の瞬間をスクープしようというので
有名なそのテの名所(とうじんぼうか?)に隠れて見張っていたそうです。
何日か過ぎ、粘ったかいあってかどうやらそれらしい人が現れました。
カメラマンは不謹慎にも内心、大喜びでした。
レンズを換え、ファインダーを覗き、その人の行動をみていました。
その人は勿論自分がこれからやろうとしてることがカメラに撮られるなど
知るはずがありません。
絵に描いたような基本的な自殺前の心得(遺書とか)をしてその人はためらい
もなく崖に飛び込みました。
カメラマンもプロですからチャンスは逃がしません。見事スクープを撮りました。
現像の段階でカメラマンは蒼くなりました。
普通、飛び降り自殺するひとは飛んですぐ気絶するんだそうです。
現像したその写真には気づくはずがない距離、存在なのに
カメラ目線で、しかも二ィっと笑った顔で写っていたそうです。
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