plan.1

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『しばたは、絵が好きなんだね』 『うん、好きっ!』 辺り一面を包むような薄桃色。 何処からか吹いている風に舞う花びらは、桜。 ……という事はまたあの夢、なんだな。 そこにいるのは、いつかの俺。 いつだか知らない、でも小さい頃の俺。 それは記憶に無い、思い出のようなもの。 『--も、しばたの絵……す、好きだよ』 『ほんと!?ありがと、--!』 この夢の不思議は、俺と一緒に居るもう一人の子供の名前が聞こえないこと。 あの、フードを深く被って顔を隠している子は、一体誰なんだ……? 名前は、いつも砂嵐のような雑音で消されてしまう。 『それじゃあ--を描いてあげる!じっとしててね!』 『えぇ、や、やだよ、恥ずかしいし…』 『なんで?--は、僕の絵、嫌い?』 『そ、そそっ、そんなことない!!』 『じゃあ、ほら!服のぼーしを外して、こっち向いて?カオが見えないとかけないから!』 その子は、小さい頃の俺にフードを外されて顔を上げようと……
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