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朝日を背にして現れるのはどうにも良くないと思い、昼頃病室を訪れる事にした。
昴は上半身をベッドの上に起こして、気が進まない様子で病院食を口に運んでいる。
「食欲がありませんか?」
窓辺から声を掛けると、昴は弾かれたようにぱっと顔を上げた。
「良かった、夢じゃなかったんだ」
私の質問を無視した彼は安心したように目尻を下げる。
普通、逆ではないか。
夢で良かったと思うものではないのか?
「死神に憑かれて、良かったなんて言う人は貴方が初めてですよ」
「そう?僕は死神さんが来てくれて嬉しいけどなぁ
」
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