ありたか

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俺が好きな人には好きな人がいます。 「あーりおーかくんっ」 ニコニコとしながら俺の元にやってくる高木―――俺の想い人。 高木はいつだって完璧な容姿をしている。 元から綺麗な顔立ちで、周りの人を圧倒させるオーラ。それに加えていつも、綺麗な顔には化粧がほどこされていて、髪だって寝癖がついてた所を一度だってみたことない。 世にいう「女子力」の塊だと思う。 「有岡くん?どうした?」 「あ、いや、あの…」 “見とれてた”なんて言える訳なくて、言葉に詰まる。 「はは、なんでそんなドモるの?(笑) そんな焦んなくてもいいよ?変な有岡くーん。」 (あ、まただ。) 高木は人と付き合うのが上手い。 決して追求もしてこない、俺が自分から話すまで待っててくれる、距離感がとても心地よい。 そんな居心地のよい高木の隣に立ちたい。俺の小さな恋心。 「それより聞いてよ!また体重増えちゃってさ…ダイエットがんばってるのになぁ…」 「えっ、俺に言われても…」 「伊野尾くんくらい細くなりたいなぁ…」 “伊野尾くん”彼女の口からその言葉がでてくると、俺はいつも呼吸がしづらくなる。 「俺、そんな細くないし(笑)」 そんなタイミングでやってくる伊野ちゃん、やっぱり伊野ちゃんをみると高木の表情が一気にに変わる。 俺に見せてくる“可愛い笑顔”じゃなくて、“恋する乙女”の顔をする。 俺にはそんな表情を見せてくれない。 「大ちゃん、」
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