19人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女のことが気になりはじめたのはいつからだろう。
幼い頃から俺は彼女を知っている。
でも、ただ単に小学校から今の学校まで同じなだけで、顔を知っている程度だった。
もちろん、同じクラスにはなったことはない。
話したことだってない。
ただ、彼女が美しいと有名だから知っているだけだった。
中学の頃だったかな、気づけば彼女を目で追っていることに気づいたのは。
そこで自覚した気持ち、心の中にそっと閉まったままだった。
だけど最近、高校でできた親友の幼なじみだという事実を知らされて困惑気味。
「ねぇ、まじでヤブといのおさんって幼なじみなの?」
「まじまじ。ミルク飲んでる頃からの仲。もっと言えば生まれる前から隣に居たよ?」
サッカー部のキャプテンでイケメンと評判の親友は笑いながら話す。
カッコ良くて、スタイルもよくて、頭もいい。
そんな完璧まっしぐらな親友、残念ながら彼女なし。
今まで作ったところをみたことがない。今、一番の謎がこれだ。
「いいなぁ、いのおさんと一緒のマンションとか…」
「ただ一緒なだけだよ。昔っから見てるし、なんも思わない。確かに綺麗な顔はしてるけど、性格最悪だぜ?」
最初のコメントを投稿しよう!