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それはとある日曜日。
寒くなってきたし、秋冬の服が欲しくなり、一人で買い物へ行こうと準備をして、ちょうど車の鍵に手をかけたときのことであった。
「こうたー、ひかるくんが来てるわよー」
母親の声にびっくりしてうっかりチャリンと鍵を落としてしまった。
(………ひかる?ひかるって、あのひかる?)
突然の訪問者、ましてや懐かしいその名前、疑問に思いつつ部屋をでて、階段を下りる。
「……お、こうた!久しぶり!」
玄関へつくと、3年ぶりのひかるが立っていた。
最後に会ったときより、少し大人びていて、筋肉もついていた。でも、俺に向けてくれる笑顔は3年前となにも変わっていなかった。
だけど、髪の色とその服装だけは3年前とはガラリと変わっていたのだ。
「……金髪?」
「3年ぶりの再開の第一声がそれかよ!」
金髪にパンクテイストの服。
町を歩いてたら間違いなく道を空けるであろうその風貌が、なによりも驚いたのである。
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