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修行編
今日も王国を守る屈強な兵達に朝が来た。
「おう歯はちゃんと磨いたか!くそったれども!」
朝日が降り注ぐ広場にズラリと並んだ男達は暑苦しい大声で教官の挨拶に応えた。
「いいかてめぇら!嘆かわしい事に我が国は現在どの国とも争いはしていない、平和の真っ只中にある!それがどういう事か分かるか?!」
「我々の死ぬ場所が在りません!!」
「その通りだ!穀潰しどもめ!貴様らは何の為に○ソを垂れ流している?!」
「この国に土足で踏み込む礼儀知らずの面を殴る為です!!」
「その通りだ!それを達成するまでは貴様らの価値はゴミクズ以下と知れ!我が王国の兵は一に!」
「屈強!!」
「二に!」
「強靭!!」
「三に!」
「勇猛!!」
「ようし、ならば一人でも多くの無礼者をノせらるように、もしくは未来あるお子様達にクズだと罵られない為にその貧弱な体だけでも鍛えやがれ!」
教官の怒号と共に男達は朝日に向かって一斉に走り出した。教官はその場に直立してその背中が岡の向こうに隠れるまで兵達を見送ると、胸のポケットから一本の煙草を取り出すと、口にくわえて火を着けた。
「…………出来るなら、俺を含めて死ぬまで穀潰しでありたいものだ……」
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