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ミリアが夢を見て一ヶ月、何事もなく時間が過ぎていった。
周りにも夢の内容は知れ、いつの間にか城下にまで広まっていたがウィルは普段通りにミリアの側に付き業務をこなしている。
ミリアも、そして王や国民ですら夢は外れたのだと思い始めていた。
ただ、ウィルだけを除いては………
『ウィル?』
『あっ………すみません』
今、ウィルはミリアと一緒にベッドの中にいた。
とは言ってもミリアは横になり布団をきちんと被っているが、ウィルはミリアの横でただ寝そべって頭をなでているだけである。
要は、ミリアは寝かしつけられているのである。
『どうしたの?』
一ヶ月前とは違い、愛くるしい表情を見せるミリアにウィルは微笑んだ。
『何でもありませんよ。さぁ、もう目をつぶって』
そう言ってウィルはミリアの目の上に手を置いた。
ミリアは大人しくうなずくとしばらくしてスースーと寝息が聞こえ始めた。
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