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ミリアが眠りに付いたのを見届けると、ウィルは厳しい表情になった。
『おやすみなさい、姫』
そうミリアに告げるとそっと額に口付けをした。
そしてゆっくりと寝台を抜けると自分の部屋へと繋がっている扉から自室へと戻った。
自室に戻ると目に付いたのはテーブルの上にある沢山の書類。
その中にはウィルへの任務やこれからの行政などが書き記されている。
ウィルはその中の一つをとると自分のベッドへと歩いていき、隊服のまま身を沈めた。
そしてその書類をじっと眺めた。
その書類の内容は、あのミリアが見たという夢の内容を綴ったものだった。
何故そのようなものを今持っているのかというと、ウィルはウィルなりにミリアの前から自分の姿が消えないように色々と気を使っていたからだ。
それは例えば夢の内容との状況の一致や自分の行動、そしてミリア自身の行動にも目を光らせ、夢が現実にならないようにと気をつけてきた。
しかし………それはもしかしたら意味のないことなのかもしれない。
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