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『スカイレット様っ!!スカイレット様ぁ!!』
城に男の野太い声が反響する。
何か焦っているような風である声の主は辺りをキョロキョロ見回し誰かを探しているようだ。
『スカイレット様っ!!』
そう尋ね人の名前を呼んでいる男を、城を警備している兵士や着替えを運んでいる召使が不思議そうな顔をして見送る。
男はそんな周りのことなど知ったことかとずんずん歩いては頻りに『スカイレット様!!』と叫んでいる。
そんな男を見兼ねてか、兵士の一人が男に近づき『多分森なのでは………』と告げる。
その兵士の一言にはっとした表情になり男は兵士に礼を言うと走って森がある方向へと向かっていった。
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