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青年は男の存在を認めると先程までの真剣な顔を引っ込めて破顔した。
『ジーンさん………どうかしましたか?』
青年は剣を腰にさしてある鞘にしまうと近くに置いていたのであろうか、長袖とジャケットを着はじめた。
そのジャケットは男のものと少し似ているが階級を表しているのかデザインが違った。
彼が着ているのは騎士の最高位であるといわれている銀色が基調の服。
一方男が着ているのは茶色を基調としたものである。
青年はジャケットを羽織りながら男の言葉を聞いた。
『実は姫様が大層恐がられていまして………』
『ミリア、姫が?』
『ええ、なんでも恐ろしい夢を見たとかで………我々には言えないようなのです』
姫様、という単語を聞いた瞬間、スカイレットという青年の顔つきが真剣なものになった。
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