記憶-キオク-

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' なぁ…神様… 山本を野球が出来なくなるような身体にしないでくれ… …何かを引き換えにするのなら… 山本から、俺との記憶を… 俺と出会った頃からの記憶を全部消してくれ… 俺が山本に不幸を与えているのなら… 山本から、俺の記憶を全部… ……名前も声も顔も性格も全部…… 山本がそれで、シアワセになるのなら… 俺はそれでもかまわない… 俺は頭を撫でている手を止め山本の唇に自分の唇を重ねる 「…早くよくなれよ」 そう言い病室を出て行こうとした瞬間、服の裾を掴まれた 振り返ると山本が虚ろな目をして俺の服を掴んでいる “こんなんじゃ…俺って分からねぇよな…” 「…寝てろ…大丈夫だ。次、お前が起きたときには周りに沢山の友達がいる…」 もちろん俺もな… 付け足して言って微笑む 山本は安心したのか、ニコッと笑ってまた、眠りについた
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