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一面に広がる砂漠。
カーテンを開放した窓からは、殺人的な太陽光がリビング内に差し込む。
空調パネルの前についた僕は、そこで冷房のスイッチを押し、
次に、すでに端のほうで動いていた扇風機を持ちあげ、姉ちゃんの近くに移動させた。
心地よい風により、半袖短パン姿で寝転ぶ姉ちゃんの短い髪がなびく。
最後に、冷凍庫からアイスバーを取り出し、機械的に開いた姉ちゃんの口に放り込んだ。
「あっふーい……」
ミッションコンプリート。
姉ちゃんの声は、先ほどのよりも弱々しいものになり、僕の中でほんの少しの達成感が生まれた。
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